Gear Review — 焚き火
Picogrill 398|電車キャンプで4年間、毎回持っていく焚き火台
車を使わないキャンプでは、道具をひとつ増やすたびに荷物が重くなります。それでもPicogrill 398は、4年間ほぼ毎回キャリーカートに入れて運んできました。この軽さと薄さで焚き火ができる台を、ほかに知りません。
Spec / スペック
- ブランド
- Picogrill(スイス)
- 重量
- 約400gと軽量
- 収納
- 薄く畳め、カートの隙間に収まる
- 特徴
- 薪割り不要/風通しがよい
- 調理
- 網を載せて炭火焼き可
- 携行頻度
- 毎回必ず持参
01結論:どんな人に向くか
先に結論から。この焚き火台が向くのは、次のような人です。
- 車を使わず、荷物の重さと大きさを常に気にしている
- 焚き火だけは諦めたくない
- ソロ、または2人までで使う
- 調理は湯沸かしと簡単な焼き物で足りる
逆に、大人数で薪を大量に燃やしたい人には向きません。重い鉄板で本格的に焼きたい人も同じです。そうした用途なら、頑丈で重い台のほうが快適でしょう。この道具は「運べること」に振り切っています。その一点では、代わりが見当たりません。
02電車移動で効くのは「軽さ」より「薄さ」
約400gという軽さも助かります。ただ、電車とバスで運んで効くのは重さより収納形状のほうです。
2枚のプレートに畳むと、ほぼ板状になります。厚みがないので、キャリーカートの背面パネル側や荷物の隙間にすっと差し込めます。他の荷物の形を崩しません。かさばる道具がひとつあるだけで、パッキングは周りの配置まで引きずられます。板状なら、そのしわ寄せが出ません。
カートの限られた容量の中で、板状の道具は場所を主張しません。装備を軽量化していくと、最後は重さより体積が効いてくる。4年間の実感です。
03組み立てと、火床の実際
設営は、2枚のプレートを差し込んで広げるだけ。工具もコツもいりません。慣れれば数十秒で立ち上がります。
薄く見えて、懐は深い。薪割りをしなくても、かなり大きな薪をそのまま燃やせます。市販の薪を割らずに載せられるのは、地味に手間が減る利点です。
プレートの間が開いていて、風の通りがいい。だから火がつきやすく、燃え残りも少ない。少ない薪でしっかり火が育ちます。荷物を減らしたい人には、薪の消費が抑えられるのも見逃せない利点です。
04網を載せて、炭火焼きも楽しめる
網を置けば、炭火焼きにも使えます。料理の幅が広がる。私はチタン網を載せて、焼き物を楽しみます。付属のスピット(金属の串)を渡してクッカーを置く調理も可能ですが、私はほぼ使いません。
ただ、焚き火の炎で直接調理することは、今はほとんどしません。鍋底に真っ黒なススがつき、洗うのが大変だからです。焚き火は「見て楽しむもの」、料理は「バーナーでつくるもの」。役割を分けてから、後片付けが格段に楽になりました。
火を眺めながら、別のバーナーで湯を沸かす。ソロキャンプでいちばん静かな時間を、この一台が支えてくれます。
05正直に、気になる点
4年使った上で、留意点も書きます。
- 焚き火シートは併用したい。火床が地面に近く、地面保護のために敷いたほうが安心です。シートは軽く、負担になりません。
- 直火調理はススがつく。炎で直接調理すると鍋底が真っ黒に。私は焚き火と料理を分けています。
- 火床はソロ向きのサイズ。見た目より薪は入り、大きな薪もそのまま燃やせます。ただ、大人数で夜通し燃やす用途には向きません。
- 安くはない。ただ、4年使い続けられる耐久性があります。
06箱型の焚き火台と、何が違うのか
箱型・カゴ型の焚き火台とは、設計の狙いがはっきり違います。箱型は「安定して燃やす」に寄っています。頑丈で、灰の処理も楽で、火力も安定する。そのぶん重く、収納体積も大きくなります。
Picogrillは、そこを割り切っています。頑丈さも灰受けの快適さも手放して、板状の収納と約400gの軽さを取りました。車なら、この引き換えに意味はありません。荷室に余裕があるからです。
けれど、駅から歩き、バスに乗り、最後の坂を自分の足で登るなら話は別です。ここで大きな価値が生まれます。同じ道具でも、運び方しだいで価値は変わる。焚き火台を選ぶなら、スペック表より先に「どうやって現地まで運ぶか」から考えてみてください。
07一緒に持っていくもの
この焚き火台と一緒に持つものです。
- チタン網 — 網を載せれば炭火焼きができる
- 火バサミ — キャプテンスタッグから、軽いベルモント製に替えた
- 焚き火シート — 地面保護用。軽いもので十分
- 収納ケース — 煤を他の荷物に移さないため
火バサミは、以前キャプテンスタッグのものを使っていました。軽量化のためにベルモント製へ。少し値は張りましたが、軽くて使いやすい。道具は試行錯誤の末、少しずつシンプルに絞られてきました。
08よくある疑問
ソロには小さすぎませんか?
ちょうどよい大きさです。市販の薪を少し折れば収まります。炎を眺めるぶんには十分な火が立ちます。
薪割りは必要ですか?
薪割りをしなくても、大きな薪をそのまま燃やせます。市販の薪を割らずに載せられる懐の深さがあります。
焚き火で料理もできますか?
網を置けば炭火焼きができます。ただ私は、直火調理はススがつくので避け、料理はバーナーに任せています。
結局、買いですか?
車を使わずにキャンプへ通うなら、有力な選択肢です。少なくとも私は4年間、これ以外を選んでいません。
09まとめ
Picogrill 398は、装備の一グラム・一センチと向き合う人のための焚き火台です。車があれば、もっと快適な選択肢はいくらでもあります。ただ、電車とバスと徒歩で向かうなら、この板状の約400gが持つ意味はスペック表の数字よりずっと大きい。
焚き火を諦めず、身軽でいたい。その両立を、この道具は4年間、静かに支えてくれています。
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