Gear Review — Tent

YOKA TIPI|約2kgで薪ストーブが使える、冬の電車キャンプの答え

薪ストーブが使えるテントは重い。だから車がないと冬は無理だ。ずっとそう思っていました。この幕は、その思い込みをひっくり返してくれた一張りです。

Spec / スペック

重量
約1.8kg(カーボンポール期)/ 約2.0kg(アルミポール期)
サイズ
W270 × D270 × H175 cm
素材
40D リップストップナイロン(表シリコン / 裏PU)
耐水圧
2,000mm
煙突穴
あり(グラスファイバー防炎布)
インナー
付属しません(別売メッシュインナーあり)
ペグ
付属しません
収容人数
2人用(ソロで広く使える)

※ ロットや年式により仕様が変わることがあります。購入前に最新情報をご確認ください。

01結論:冬に、荷物を増やさず暖をとる

冬のソロキャンプで、電車とバスで行く。この条件を満たしながら暖かく眠るための答えが、私にとってはこのテントでした。ポール込みで約1.8〜2.0kg。それでいて、煙突穴が最初から開いています。

薪ストーブを幕内で使えるテントは、たいていポリコットン(TC)素材で、4〜5kgあります。車なら問題ない重さですが、駅から歩く前提だと現実味がない。YOKA TIPIは40Dリップストップナイロンで作られていて、その常識を外しています。

電車キャンプ視点:薪ストーブ対応テント=重い、という前提が公共交通派の冬キャンプを阻んできました。ナイロンで作られたこのテントは、その前提を崩した数少ない選択肢です。ただし火の粉には弱く、TCとの引き換えであることを忘れずに。

02約1.8〜2.0kg、フロアレスという選択

重量はロットによって差があります。初期のカーボンポール仕様が約1.8kg、その後アルミポールに変わって約2.0kg。どちらも本体・ポール・煙突穴パーツを込みにした数字です。

軽さの理由のひとつは、床がないことです。インナーテントは付属しません。つまりこれはテントというよりシェルターで、地面はそのまま。マットやコットを自分で敷きます。

床がないぶん、軽く、そして自由です。土間のように靴のまま出入りできるし、幕内で焚き火台こそ使えないものの、薪ストーブを置くスペースは十分にある。ペグも付属しないので、そこは別途用意が必要です。

03煙突穴が最初から開いている

側面上部に、防炎布で囲われた煙突穴があります。グラスファイバー製の防炎布で、自分の煙突の太さに合わせてハサミで広げられる構造です。

自分のテントに穴を開ける勇気は、なかなか出るものではありません。そこを最初からメーカーが用意してくれている。これがこのテントを選ぶ理由の中心にありました。

なお、幕内での火気使用は危険を伴います。一酸化炭素検知器の併用、就寝前の完全消火、煙突とテント本体の接触確認。メーカーの注意書きを読んだうえで、自己責任で判断してください。私は必ず検知器を持っていきます。

04270cmの広さと、設営3分

W270×D270×H175cm。2人用とされていますが、ソロで使うと広すぎるほどです。天井高175cmは、身長172cmの私が中でほぼ立てる高さで、これはワンポールテントとしてはかなり快適な部類に入ります。

設営は、ペグを打ってポールを立てるだけ。慣れると数分です。撤収はもっと速い。寒い朝に、かじかんだ手で複雑なフレームと格闘しなくていいのは、想像以上にありがたいことです。

外周にリフレクターの帯が縫い込まれていて、夜、ライトを当てると光ります。暗いキャンプ場でトイレから戻るとき、自分の幕がすぐ見つかる。細かい配慮ですが、ソロで泊まると効きます。

05正直に、気になる点

06BUNDOKと、どう使い分けるか

BUNDOK ソロティピー1 はインナー付きで床があり、虫の季節に強い。YOKA TIPIはフロアレスで、冬に強い。同じワンポールでも役割が違います。

春から秋はBUNDOK、冬はYOKA。私はそう分けています。荷物の重量はほぼ変わらないのに、快適に過ごせる季節がぐっと広がりました。年間を通して電車で通うなら、この2張り体制は悪くない選択だと思います。

最初の一張りとして選ぶなら、BUNDOKです。YOKAは「冬も行きたい」と思ったときに検討するテントです。

07よくある疑問

ソロには広すぎませんか?

広すぎるくらいですが、荷物と一緒に土間で過ごせるので、冬はむしろちょうどいい。

薪ストーブは必須ですか?

なくても使えます。スカート一体型なので、ストーブなしでも冷気の侵入は抑えられます。

幕内で焚き火はできますか?

できません。ナイロン製です。薪ストーブを煙突とともに正しく設置する場合に限ります。

BUNDOKと両方いりますか?

冬にも通うなら、意味のある2張りです。まずは1張りで、必要になってからで十分です。

08まとめ

車がないから冬は諦める、と思っていました。このテントは、その前提を静かにひっくり返してくれた道具です。約2kgの荷物が増えるだけで、雪の残る季節にも駅から歩いて行ける。

軽さと引き換えに、火の粉への弱さと結露を受け入れる。その取引を納得して結べる人にとって、これは他に代えのきかない一張りです。

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